雪が解けて暖かくなってくると、散歩から帰ってきた犬の頭や首のところにウロウロと徘徊しているマダニを見つけることがあります。
マダニの対策方法に、『なるべく草のある場所を歩かせないこと』なんて書いてある記事を見かけるのですが、外に出たら草だらけの田舎に住んでいるのでそうもいきません。
そんなマダニやノミに大事なワンコが噛まれないため、毎年行っている対策をご紹介します(今回は犬についての記事ですが、猫用の同じ商品もあります)。
フロントラインプラスでしっかりと予防・駆除
フロントラインプラスは、ペットの首の後ろ付近に液体の薬を投与するスポット型の駆除薬。
特徴的なのがなんといっても高い駆除率。説明書きには、「ノミの成虫は24時間以内、マダニ・シラミ・ハジラミは48時間以内に、ほぼ100%の割合で駆除することができる」と解説されています。さらに、ノミが産みつけた卵に対しても効果を発揮し、ふ化・成長させることなく駆除することができます。
薬の効果が持続する期間は、ノミ・シラミの場合で約1ヶ月〜3ヶ月、マダニには約1ヶ月。メインはマダニ対策なので、基本的には1ヶ月に一回の投与となります。
「液体を垂らしただけじゃ、雨が降ったりシャンプーしたら効果がなくなるんじゃないの?」という疑問が出ますが、投与から24時間以内に成分が皮脂腺を通って全身に行き渡るので、シャンプーもお散歩も問題なく行えます。逆に言えば、投与から24時間はシャンプーを控えた方がいいですね。
5kg未満の小型犬用から40kgの大型犬用まで、犬の重さによって種類が違うので、ネットで購入する場合には、ある程度犬の体重を知っておく必要があります。
箱の裏に説明書が書いてありますが、液体を垂らすだけなので方法自体はとても簡単。大人しい犬であれば数秒で終わります。
用意されているのは、3ピペット(3ヶ月分)、6ピペット(6ヶ月分)の2種類。ネットで購入する場合、12ピペットなどをまとめ買いすると安くなることが多いです。投与した日にちを書いておくのを忘れないようにしましょう。
これが小型犬用の1ピペット(1ヶ月分)。先端部分をパキっと折って中の液体を投与します。液体部分を強く持つと液だれをすることがあるので気をつけて。
肩甲骨の間は大体この辺。しっかりと毛をかき分け、地肌に向かって投与します。嫌がって暴れる犬もいますが、これはお前のためなんだよと言い聞かせながら、頑張って投与してください。
大量のマダニに噛まれると貧血を起こしたり、バベシア症という症状が重くなれば命に関わる感染症にかかる可能性もあります。3ヶ月で約2,000〜3,000円、6ヶ月分で約5,000円と決して安いモノではありませんが、大事なわんちゃんが噛まれて病気になってしまう前に、思い切って用意することをオススメします。
ちなみに、たまに見かける安価な無添加のハーブ系スプレー。一見身体に優しそうでいいかなと思ってしまいますが、マダニに対しての効果はほぼありません(軽い虫よけ程度)。ウチのチワワは、毎年フロントラインを投与してもう13歳になりますので、健康への心配は無用です。
ただし、使用に関しての注意事項もあります。人間の薬と同程度ですが、気になる場合には一度目を通しておいた方がいいでしょう。
フロントラインプラス 犬に対する使用上の注意
フロントラインプラスは、基本的に動物病院での購入になりますが、ネットでも購入することができます(販売元は動物病院が多いです)。届くまで少し時間がかかることもあるので、早めに注文しておくと安心ですね。
フロントラインスプレーで直接噴射
明るい間は外に繋いでいる中型犬も飼っているのですが、散歩の行動範囲が広いせいか、フロントラインプラスを用意する前の春先に、すでにマダニをつけてくることがあります。
そこで補助的なモノとして購入したのが、スプレー式の駆除薬「フロントラインスプレー」です。
250mlを購入した場合、体重15kg前後の犬で5〜6ヶ月分。価格だけで考えると、フロントラインプラスよりも若干安くすみます。
スプレー式になっており、全身に噴霧しなければいけません。これが逃げまわってなかなか難しい。また小型犬や猫は目に入ってしまう可能性があるので使っていません。
よっぽど大人しい犬じゃなければ使うのが難しいですが、フロントラインを買い忘れた時の繋ぎとして役に立っています。うちの犬はスプレー式の方がやりやすそうという人は、検討してみるのもいいでしょう。
万が一噛まれてしまったら、マダニ用のピンセットで除去
犬猫がマダニに噛まれたら病院へ連れて行けという情報をよく見かけますが、田舎暮らしだと何度も病院へなんて連れていけません。そこで用意したいのがマダニとり専用のピンセット。
フロントラインプラスを投与していれば駆除はできますが、噛んだ状態でマダニが死んでしまった場合、皮膚にガッチリと食い込んでいるとブラッシングだけでは取り除くことができません。無理に引っ張ると頭だけが残ってしまい、皮膚炎の原因になることもありますので、専用のピンセットで抜いた方が安心です。
先端がカップ状になっているので、皮膚にグッと押し込んでから噛み付いているマダニを挟んでゆっくりと引っ張ります。毛が長い犬の場合、ちょっと可哀想ですが、周りの毛を少しカットしてあげるとやりやすくなります。暴れたり噛んだりするワンコは、諦めて病院へ行った方が早いです。
なかなか使い方が難しいですが、怖がらずに早めに対処してあげてください。万が一頭が残ってしまったり、ダニの身体が半分以上入り込んでいるような場合は、ピンセットでの除去は無理です。早めに病院へ行って治療してください。
一番の予防策は毎日ブラッシングをしてよく見てあげること
一番の予防法は、散歩をした後によくブラッシングをしてあげること。毛の奥深くに入り込んでいたマダニが浮き上がってくるので、そこをとっ捕まえてプチッとしてしまいます。ただ、マダニは生命力が強く、思いきり潰してもなかなか死んでくれません。心配であれば、トイレットペーパーにくるんで流してしまいましょう。
マダニは血を吸う前はとても小さいのですが、足がモゾモゾと動いている姿はとても気持ち悪く、虫が苦手だという人が手づかみをするのはまず無理。そんな人は、ブラッシングの時にガムテープを用意し、万が一マダニを見つけたらペタッととくっつけてしまえば大丈夫。
犬も猫もどんなに痛かったり痒かったりしても言葉で訴えることはできません。
飼い主がしっかりとケアをしてあげることが大事です。
今回はマダニやノミの対処方法でしたが、夏前には犬フィラリア症の予防対策のために病院へ行くこともお忘れなく。なにかあってから後悔しても遅いです。